TSUTAYA「スパイダーマン」独占レンタル

TSUTAYA市場縮小で動く

 TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンスクラブ(CCC)は18日、米映画「アメイジング・スパイダーマン」の独占レンタル契約を、発売元のソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)と結んだ。この契約を巡っては中小レンタル14社がレンタルする権利を求めて仮処分を申請している。「トータル・リコール」でも同様の契約を結ぶ方針だ。 
 近年はユーチューブなどネットの無料動画や、スマホで利用が増えるビデオ・オン・デマンドに需要を奪われ、実店舗では価格競争が進む。2位のゲオは3年前から旧作の100円レンタルを開始。TSUTAYAも今年四月、東日本で旧作をほぼ100円に下げた。だがこれ以上の値下げは難しく、CCCは大作を独占して顧客を囲い込む戦略に出た。
 配給会社にも独占契約のメリットはある。レンタルは配給会社と店で貸し出し収入を分け合うのが主流だ。集客力に劣る中小店などで、レンタル回数が伸びなければ配給会社も損失を被る。だが、今回の独占契約はレンタル回数に関わらず、一定額をCCCが配給会社に支払う方式で利益が計算しやすい。CCCが一連の契約に支払う金額は「10億円以上」とも言われる。