ヒミズ





主演の染谷将太と二階堂ふみは第68回ヴェネツィア国際映画祭にて新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。

あらすじ
 貸しボート屋を営む家庭の一人息子、住田祐一(15歳)中学3年生。
震災によって、ホームレスとなった大人たちと平穏な日常を送っていたが、ある日、蒸発していた父親が突然現れ、金の無心をしながらも、住田に激しい暴力を振るう。母親は中年男性と駆け落ちをし、家を出てしまう。彼の夢はただ普通の日々を送ること。お前なんかいらねえんだよと言われ、毎日殴られる日々、次第に自分の生きることの価値に疑問を抱くようになる住田。
 住田の同級生、茶沢景子は、娘が首を吊れるように、絞首台を作る両親という異常な家庭で、愛のある家庭を夢みる。
 住田に恋する茶沢は、猛烈アプローチをし、疎ましがられながらも次第に距離を縮めていくことに喜びを感じる。
しかし、父親がヤクザから借りた金を返せず、ヤクザにも暴力を受けるようになってしまった住田は、ついにキレてしまい父親を殺してしまう。
 学校にも行けず、ただ生きるために貸しボート屋を営む住田。夢も希望も崩れ去り、ゴミ以下の価値しかない命、それでも彼は命を立派に使って生きたいと決意する。社会に蔓延る悪党を探し出し、殺すこととともに。
 住田の理解者である茶沢は、暴走する住田にとっての唯一の希望となれるのか。

時折、挿入される3.11後の震災跡のショット、そしてラストシーンには、復興を目指す福島へのエールのようだ。