カリフォルニア・トレジャー




作品情報
製作年 :2007年
監督  :マイク・ケイヒル
キャスト:マイケル・ダグラス、エヴァン・レイチェル・ウッド

あらすじ
   精神病院帰りのダメ親父とそのひとり娘が、300年前のスペインの財宝が地下に眠るスーパーマーケットに潜入し、発掘作業に乗り出す様子を描いたコメディ。



みどころ


 かつて「ロマンシング・ストーン」シリーズに主演したマイケル・ダグラスにとって、本作で描かれる冒険は、とてつもなく小規模。舞台となるコストコは、日本では馴染みがないが、倉庫に入荷したままの商品を並べて販売することで、陳列にかかる費用を徹底的に抑えた、アメリカ人にとっては馴染みのスーパーらしい。
 母は家を出て行き、父は精神病院へ入院、そんな家庭で高校中退を余儀なくされ、マクドナルドでのバイトをしながら生計をたてる、16歳のミランダ。そんなある日、父チャーリーが退院し、再び2人で住むことになる。チャーリーはしばらくして、カリフォルニアのどこかに大量の金貨を埋められていると言って、あっちこっちの土地、ゴルフ場やお墓を堀り始める。そんな父に呆れながらも、ちゃんと父の指示通りに手伝ってあげるミランダが微笑ましい。

 やがて、宝はコストコの地下にあると確信したチャーリーは、計画を立て始める。コストコの中で、メジャーで距離を測ったり、地図測量機を持ち込んだりとやりたい放題の父を尻目に、食器洗機をじっと眺めるミランダ。ただでさえお金がないのに、父はまったく稼ごうせず、宝探しに没頭する。そんな父に翻弄されるミランダはどんどん現実的になってしまった、小さい頃はあんなに夢を見させてくれて楽しかったのに・・。
 宝探しの行方はどうなるのか、ラスト、自分のせいで家庭が崩壊してしまい、娘にずっと面倒をかけてきた父の行動は感動的である。

『サイドウェイ』の監督、アレクサンダー・ペインが製作を務めたこともあり、ユーモアななかにもちょっと泣ける要素が上手く配された、良質の作品となっている。