2011年度のベストフィルム!
昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手の“ドライバー"。
寡黙な彼には、家族もおらず、過去も謎のままだ。そんな男が、同じアパートに住む人妻アイリーンに思いを寄せる。彼女もまた、自分と息子に優しくしてくれるドライバーに好意を寄せ、二人は親しくなるのだが、アイリーンの服役中の夫スタンダードが戻ってくる。
危険な裏社会の抗争に巻き込まれていく孤独な男を描いた、LAを舞台にしたハード・ボイルドタッチのクライム・サスペンス。
ジェイムズ・サリスの原作にある強奪計画、カーチェイス、友情、ロマンスの要素を映像向けに再構築した脚本も賞讃に値するが、日本ではほとんど無名だったデンマーク人監督、ニコラス・ウィンディング・レフンが見せた演出の冴えは見事としかいいようがない。きりりと引き締まった、それでいて流れるような映像には一点の澱みもない。
暴力性を秘めた無機質な非常さで身を固めながら、その内側には心優しさも備えているという、ややもするとつかみ所のない難しいヒーロー像をライアン・ゴズリングが自然に演じてみせる。脇役陣も充実しており、ヒロインにキャリーマリガン『17歳の肖像』、ロン・パールマン『ヘルボーイ』、アルバート・ブルックス『アウト・オブ・サイト』が、顔を揃えている。
暴力性を秘めた無機質な非常さで身を固めながら、その内側には心優しさも備えているという、ややもするとつかみ所のない難しいヒーロー像をライアン・ゴズリングが自然に演じてみせる。脇役陣も充実しており、ヒロインにキャリーマリガン『17歳の肖像』、ロン・パールマン『ヘルボーイ』、アルバート・ブルックス『アウト・オブ・サイト』が、顔を揃えている。