40歳の童貞男



作品情報
製作年 :2005年
監督  :ジャド・アパトー
キャスト:スティーヴ・カレル、キャスリン・キーナー、ポール・ラッド、セス・ローゲン

あらすじ
 主人公アンディは、真面目な性格が祟ってか、40歳にして童貞。勤務時間が終わったらさっさか家に帰り、大好きなフィギュアを集めたりしている。ある日同僚たちにポーカーに誘われたアンディは、セックスネタを振られた際に童貞であることがバレてしまう。オーマイガー! 大泣きするアンディを尻目に、同僚たちは、アンディの脱童貞作戦を企てるのであった。

感想
 40歳にして童貞、実際問題ではシリアルプロブレム。とても笑い飛ばせることができないが、タブーに挑むかのようにズカズカと童貞であることの恥ずかしさをネタにしている。
 主人公のアンディを演じるのは、コメディアンから俳優になったスティーブ・カレル、知的でエリートっぽい風貌なのに、お間抜けな役柄というギャップが面白い。「リトルミスサンシャイン」ではゲイのプルースト学者を演じていて、これも最高に笑える。
 同僚たちは、アンディの童貞を喪失させようと、お見合いパーティに参加させたり、胸毛をガムテープで脱毛したりと、とにかく役に立たないアドバイスばかり、それでも素直にしたがうアンディの姿が可笑しい。
 下ネタ連発で一見すると下品なんだけど、現実社会では、40歳で童貞は実際に多いみたい。これは、コミュニケーション不全が原因と考えられ、実際に、女性と喋るところからセックスまでを面倒みるカウンセラーもいるらしい。もちろん、カウンセラー自身が患者とヤるみたい。
 人付き合いを避けないで、まずは、同性からでもいいから付き合いを始めよう、家にこもらず外に出よう、そんな気持ちにさせてくれる明るくハッピーな抱腹絶倒な良質コメディだよ。




カリフォルニア・トレジャー




作品情報
製作年 :2007年
監督  :マイク・ケイヒル
キャスト:マイケル・ダグラス、エヴァン・レイチェル・ウッド

あらすじ
   精神病院帰りのダメ親父とそのひとり娘が、300年前のスペインの財宝が地下に眠るスーパーマーケットに潜入し、発掘作業に乗り出す様子を描いたコメディ。



みどころ


 かつて「ロマンシング・ストーン」シリーズに主演したマイケル・ダグラスにとって、本作で描かれる冒険は、とてつもなく小規模。舞台となるコストコは、日本では馴染みがないが、倉庫に入荷したままの商品を並べて販売することで、陳列にかかる費用を徹底的に抑えた、アメリカ人にとっては馴染みのスーパーらしい。
 母は家を出て行き、父は精神病院へ入院、そんな家庭で高校中退を余儀なくされ、マクドナルドでのバイトをしながら生計をたてる、16歳のミランダ。そんなある日、父チャーリーが退院し、再び2人で住むことになる。チャーリーはしばらくして、カリフォルニアのどこかに大量の金貨を埋められていると言って、あっちこっちの土地、ゴルフ場やお墓を堀り始める。そんな父に呆れながらも、ちゃんと父の指示通りに手伝ってあげるミランダが微笑ましい。

 やがて、宝はコストコの地下にあると確信したチャーリーは、計画を立て始める。コストコの中で、メジャーで距離を測ったり、地図測量機を持ち込んだりとやりたい放題の父を尻目に、食器洗機をじっと眺めるミランダ。ただでさえお金がないのに、父はまったく稼ごうせず、宝探しに没頭する。そんな父に翻弄されるミランダはどんどん現実的になってしまった、小さい頃はあんなに夢を見させてくれて楽しかったのに・・。
 宝探しの行方はどうなるのか、ラスト、自分のせいで家庭が崩壊してしまい、娘にずっと面倒をかけてきた父の行動は感動的である。

『サイドウェイ』の監督、アレクサンダー・ペインが製作を務めたこともあり、ユーモアななかにもちょっと泣ける要素が上手く配された、良質の作品となっている。




ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン



作品情報
製作年 :2011年
監督  :ポール・フェイグ
キャスト:クリスティン・ウィグ、マーヤ・ルドルフ、ローズ・バーン、メリッサ・マッカーシー

第84回アカデミー賞脚本賞、助演女優賞ノミネート


あらすじ
30代独身アニー。開業した手作りケーキのお店はつぶれ、恋人にも逃げられ、どっちを向いてもお先真っ暗な彼女にとって親友リリアンだけが心の拠りどころ。そのリリアンの結婚が決まり、「ブライズメイドのまとめ役」を頼まれたアニーは自分の苦境もさておき大奮闘する。だが、超豪華パーティーや最高級ドレスを提案する金持ち美女ヘレンをはじめ問題含みのブライズメイドたちに囲まれ、彼女のプランは前代未聞のトラブル続出。果たして結婚式とブライズメイドたちの人生の行方は…!?


みどころ

 主演のクリスティン・ウィグは、サタデーナイトライブ出身の人気コメディアン。同じサタデーナイトライブ出身のコメディアン女優にはティナ・フェイがおり、どちらもとても美人。おまけに2人は、みずから脚本執筆もする才女で、ユーモアも演技の才能も抜群。そんな二人の大ファンである私にとって、ウィグの最新作に期待は募るばかり。
 さて、ふたを開けてみると期待以上の傑作に仕上がっており、これでもかとばかりによくここまで笑いを詰め込んだものだと、改めてウィグの才能に惚れるばかりであった。
 ファーストシーンから下ネタ全開で、セフレとの相性最悪なセックスシーンから始まり、最後までいきおいが衰えることがない。ウィグが演じる主人公アニーは、30代独身、開業したケーキ屋の事業に失敗し一文無し、おまけに恋人に逃げられ、現在は非正規雇用の身として、宝石店のレジ係をしている。そんな中、親友リリアンのブライズメイズとして、結婚式を盛り上げるために尽力をするわけだが、金持ちのヘレンに対抗するあまり全てが裏目に出てしまうさまは、滑稽でもあるがどこかこれ以上孤独になりたくない独身女性のあせりでもあるようで、悲しくもある。
 ついに怒り狂ったアニーが披露宴で暴れまくるシーンは、爆笑間違い無しだがちょっとかわいそう。引出物の子犬も受け取れずに会場を後にするが、そこで登場するのが慰め役のメリッサ・マッカーシー!!
ワゴンに子犬を9匹乗せて、アニーのボロ車の横を並走するシーンが最高。ウィグも素晴らしいが、アカデミー賞にもノミネートされた、メリッサ・マッカーシーがすごすぎる。高校時代は爆竹を投げられる毎日だったが、図書館の本を読破し、今は政府機関で働き、お金持ちになったんだと語る姿には、腹がよじれる。
 他にも、リタの赤裸々な夫婦生活の性生活にかんする不満の吐露など、見所は満載。ここまで下品なネタを扱っているにもかかわらず、全く不快でない点も良い。
とにかく、笑えるガールズムービーで、男女問わずスカッとしたい方にオススメする。