作品について
粗暴な借金の取り立てを行う男サンフンは、男勝りの女子高生と運命的に出会う。家庭環境や境遇が似ていることから、二人は惹かれあっていく。そして、凶暴なサンフンの心情に変化が表れ始めるが。
暴力的で重たい内容だが、そこまでの残酷描写はない。主役2人の交流がメインに描かれる。ラブストーリーの位置づけではあるが、恋愛感情というよりは友情に近い。不幸のスパイラルから逃れられず、将来に希望も持てないながら、もがき続ける様に目を背けたくもなるが、それでも逞しく生きる姿、その壮絶さは、今の日本映画界では描けないのではないか。
監督、脚本、製作、編集、主演の全てを一人でやり遂げたヤン・イクチュン。制作費も途中でなくなり、友人や家族に借金をしたり、家を売り払ったりなど、命がけで作った情熱が作品からも伝わってくるような気がする。
作品情報
製作年 :2008年
監督 :ヤン・イクチュン
キャスト:ヤン・イクチュン、キム・コッピ