日米で明暗が分かれる夏興行

 米国では五月から夏興行が始まり、ヒット作が相次いでいる。「アベンジャーズ」が興収6億ドル超と歴代興行ランキング三位を記録したのを皮切りに、「マダガスカル3」「メリダとおそろしの森」「アメイジング・スパイダーマン」が興収2億ドルを超える大ヒット。「ダークナイト・ライジング」は興収4億ドルを突破。
 上位五本の総興行収入は17億2700万ドルで、昨年のトップ5に比べ約40%増と大幅に伸びている。
 好調の理由は、映画人口を支える10代〜20代前半の男性向けアクション映画が充実する一方、ファミリー客にはCGアニメーションが受けているため。
 一方、日本では「BRAVE HEARTS 海猿」「劇場版ポケットモンスター」と前作並の動員を伸ばしたり、「おおかみこどもの雨と雪」のように「興行で大化けする可能性がある」という期待通りのヒットを記録する作品もあるが、昨年と比べると物足りなさが残る。昨年は「ハリーポッターと死の秘宝PART2」の興収96億円を筆頭に、興収40億円超えが3本、30億超が1本あり、興収トップ5の総興収は257億円。一方、今年のトップ5の総興収は173億円。
 要因はいくつかある。「海猿」がシリーズ初の夏公開となり「従来の20代〜30代のファンのほか、家族客も集めて大幅に興収を伸ばすのではないか」と期待されたが、夏効果があまり見られないこと。「アメイジング・スパイダーマン」が興収32億円と期待はずれの成績を推移していること。「メリダ〜」の興収が10億円に届かず伸び悩んでいることなど。
 全国的に学校の夏休みは9月2日のところが多く、映画界では、8月最終週に期待を寄せている。