ザ・ロイヤルテネンバウムズ The Royal Tenenbaums



ウェス・アンダーソンの名を一躍有名にした本作は、カラフルな色彩にセンスの良い家具、小気味の良い台詞、円熟した演技、類稀な選曲、どこをとっても完璧なコメディドラマ。

あらすじ
テネンバウム家の3人の子供は、長男ビジネスマン、長女は作家、次男はテニスプレーヤーとして10代で頂点を極めたという天才一家。父親はいつまでも平和な暮らしを望むも妻との別居を境に家を追い出されてしまう。20年後に様々な問題を抱え成長した子供たちの前に、余命6週間で死ぬため最後くらい家族と暮らしたいと父親が現れる。かくして、22年ぶりに一つ屋根の下に暮らすことになったテネンバウム家に修復は訪れるのか?

バラバラだった個性豊かな面々が、父親の出現により、一つにまとまっていく過程をドタバタを交えつつ描いた点が可笑しい。現実的にはシリアスな問題に対しても決して暗くならず、さわやかに描かれていることが感動を呼ぶ、笑って泣けるコメディの傑作。

オープニング『op.26 Sonata For Cello & Piano In F Minor